オナガサナエの複眼はツートンだった

サナエトンボ科のオナガサナエ(尾長早苗)の顔面や複眼を近くから撮影する機会があった。
オナガサナエの複眼の色は、羽化直後は褐色(赤茶色)であり、成熟するとエメラルドグリーン(澄んだ濃緑色)になるとのこと。

よく見掛けるオナガサナエの複眼の色は、透明感のある鮮やかな緑色。だが、撮影した画像の発色は、肉眼で感じた実物のものとは違っていた。
その違いは、カメラのレンズや絞りの都合であろうと理解している。いずれ、実物に近い画像が撮れるのではないかと、期待している。

ところで、オナガサナエを、初めて、近くで見たのが、背面側からだった。路上にとまっていたのだが、複眼の鮮やかな緑色が印象的だった。その時は、残念ながら、カメラを持っていなかった。所用で移動中のことだった。
なお、散歩の時は、カメラは必携なので、出遭いがある度に、オナガサナエを撮影している。

2017年9月3日の散歩、水辺の木陰で休憩した時のこと。
オナガサナエの雌が飛来して、私の近くに着地した。そして、ちょっと飛び、更に近くに着地した。
次に、ヒョイと飛び、雲台にとまった。そして、そのまま、雲台を占拠してしまった。

オナガサナエがやって来る数分前、木陰に腰掛けむすびを食べていた。その時、オニヤンマ(鬼蜻蜓)がやって来て餌獲り飛行を始めた。
そこで、むすびを片手にオニヤンマが飛び回る方へ移動した。木立が邪魔をしてオニヤンマの姿が隠れてしまうので、多少、視界の好い方に移動したのであった。
結局、オニヤンマの姿は見失ってしまった。
そんな時に、緑眼の小さな蜻蛉が眼前に着地したのであった。小さな蜻蛉といっても、オニヤンマに比べて小さいということである。

着地した蜻蛉は、オナガサナエのようだった。大体の大きさと、正面方向の斜上から見て、腹端近くが左右に膨らんでいたので、オナガサナエと思った次第である。
食べかけのむすびをポケットにしまい、撮影をした。
地面にとまったので、蟻でも食う(※ 1 )のかと思ったら、ちょっと飛び、更に近くに着地した。そして、私の傍らを飛び、雲台にとまったのであった。
食べかけのむすびを食べながら、雲台にとまるオナガサナエを眺めていた(画像 4 )。

むすびを食べきったので、次はサンドウイッチを食べる番だった。
三脚の傍に戻り、腰掛けて、サンドウイッチを食べた。オナガサナエは私の右肩から45cm離れた雲台にとまっていた。サンドウイッチを食べきったが、オナガサナエは雲台にとまったままだった。
そこで、近接撮影を試みた。カメラが10cmに寄っても、5cmに寄っても、飛び立つこともなく、モデルになっていてくれた(画像 1、2 )。


画像

画像 1 雲台にとまるオナガサナエ 雌  


三脚の雲台にとまるオナガサナエは、三脚のそばに戻る前に撮影しておいた(画像 4 )。
画像 1 は、近接撮影を試みた画像。手持ちなので、ぶれた画像だが、後頭部後緑の角状の突起、複眼、触角、前額などは写っている。3個の単眼は、反射したりして、巧く写らなかった。
複眼は透明感のある緑色。そして、複眼の腹面側(下部)は、水色。オナガサナエの複眼は、緑色系統だけではなく、青色系統もあるツートンだった。

もっとも、7月6日と8月24日に、雄の顔面や複眼を近くから撮影したときも、緑色系統だけではなく、青色系統もあるツートンだった(画像 3 )。
雄では、複眼のツートンを確認していたが、雌は未確認だった。


画像

画像 2 雲台にとまるオナガサナエ 複眼は上下のツートン  


オナガサナエの雌が逃げないのをいいことに、頭部と、胸部も写るように撮影した。
手持の、ぶれた画像だが、前胸部背面や、翅胸部側面の様子が確認できる。
撮影角度を変えても、複眼の色はツートンだった。

雄の複眼の色は確認済みだったが、雌も雄と同様に、緑色系統と、青色系統のツートンであると確認できた。


画像

画像 3 オナガサナエ 雄の顔面・複眼から前額  


画像 3 は、参考画像。8月24日に、我が家にいたオナガサナエの雄を撮影したものである。
雌雄の顔面をきちんと比較していないが、一見、模様とかの違いがないように思える。

簡易なオナガサナエの雌雄の識別方法。
オナガサナエの雌雄の顔面や複眼に顕著な違いが見出せない。が、腹部では顕著な違いがある。
側面から見ると、雄の腹部は細め。雌の腹部は雄に比べて太めで寸胴(画像 4 )。
腹端部においては付属器に顕著な違いがある。雌の尾毛(画像 4 左端)は目立たないが、雄の付属器は蟹鋏(かにばさみ)を連想させる独特な形状。
体長が60mmほどの蜻蛉だが、雄の蟹鋏ような付属器は、ちょっと離れていてもよく目立つ。

なお、雄の画像は、このブログでは、「キアゲハを食うオナガサナエhttp://gombessa.at.webry.info/201508/article_5.htmlで確認できる。


画像

画像 4 雲台にとまるオナガサナエ 雌  


画像 4 は、三脚の雲台を占拠し始めのオナガサナエ。
この雲台が気に入ったのか、餌が視界に入って来なかったのか、29分間とまっていた。


オナガサナエ(尾長早苗)
トンボ亜目(不均翅亜目)  サナエトンボ科 オナガサナエ属
Melligomphus viridicostus 
2015年に本種の存在を知って、まだ2年。
丘陵地帯での出遭いも多くはないが、観察も3年目となり、判ってきたことがいくつかある。
条件が整うと、近付いても逃げない蜻蛉。そして、翅をつままれても文句を言わない蜻蛉。
その複眼は、光線の加減か、見る角度によってか、澄んだ濃緑色に見える。
複眼をいつの日か、見た目通りの色に撮ってみたいものである。

文中で、オニヤンマと比べたので小さな蜻蛉と記したが、一応、オナガサナエは、早苗蜻蛉の仲間の中では、中型の蜻蛉と言われている。体長は60mm前後。雌は、雄に比べると、2、3mm短いようだ。



※ 1 オナガサナエは蟻も食う。
2017年7月8日、山麓の地面にとまって餌捕りをしている雌がいた。数センチ飛んでは着地していた。
よく見たら、地面の蟻を捕食していた。
なお、同日の直前に見た雌は、短い枯れ枝にとまり、飛んでくる小さな虫を狙っていた。







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