晩秋の果実など

2015年11月22日、朝から暗い曇り空だった。
丘陵地帯へ散歩に出掛けたものの、暗くて、ろくに眼も見えないので、歩くコースを決めかねていた。
しばらく訪れていない観察植物たちが気掛かりだったが、暗すぎてろくな観察もできそうにない。
そこで、気になっている斜面を登りながら、マメ科ソラマメ属のヨツバハギ(四葉萩)の探索をすることにした。

そして、目的地へ向い、歩き始めたら、スイカズラ(吸葛)の果実が目に付いた。
1個は成熟できなかったようである。

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画像 1 スイカズラの果実 何故か1個は未熟   


今度は、サンショウ(山椒)の果実(果皮と種子)が目に付いた。
幹は、すりこぎ棒にほど良い太さだった。

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画像 2 サンショウの果実   


この日は、歩き始めから、白っぽいフユシャク(冬尺蛾)が沢山目に付いていた。
わさわさと沢山いるのだが、私の歩きの振動を感じてか皆逃げてしまっていた。
この丘陵地帯で散歩をするようになったのが2011年から。それ以来、気になっていたのだが、この時期の白っぽい蛾の正体を見極める機会はなかった。
この日は、じっとしている個体がいたので、撮影することができた。

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画像 3 クロスジフユエダシャク 翅裏側  


細い枝の向こう側にとまっていた。腹側・翅裏側を撮影後、少し移動してもらって翅表側も撮影した。
画像を基に調べたら、クロスジフユエダシャクだった。
前翅長は、15mm程度だった。

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画像 4 クロスジフユエダシャク   



ヤブコウジ(藪柑子)の赤色の果実が、あちこちで目に付いたので、これも撮影した。

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画像 5 ヤブコウジの赤色の果実   


ついでで、アオキ(青木)の緑色の果実も撮影した。熟すと、赤色になるのだが、画像のものは未熟な果実ということなのだろう。

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画像 6 アオキの緑色の果実   


ヤブコウジに続いて、同じヤブコウジ属のマンリョウ(万両)も赤色に熟していた。

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画像 7 マンリョウの果実   


あれこれと、目に付いた果実を撮りながら歩いてきたので、コゴメウツギ(小米空木)の果実も撮影した。
熟したものと、まだ緑色のものとがあった。

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画像 8 コゴメウツギの緑色の果実   



先ほどと同じ種類と思える白っぽい蛾(クロスジフユエダシャク)が、今度は、うまい具合にとまっていた。
撮らない手はないので、撮影した。
前翅長、15mm。翅端間、27mmだった。

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画像 9 クロスジフユエダシャク   


コアジサイ(小紫陽花 )の果実も撮影した。

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画像 10 コアジサイの果実   



この季節に、鮮やかな色の果実があった。近寄ってみると、マユミ(檀)だった。
マユミは雌雄異株。いつもの観察地は、雄株ばかり。この丘陵地帯で、マユミの果実は初見かも知れない。

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画像 11 マユミの果実   


この場所は、広めのくぼの中の既知の道。既知の道といっても、かつて、逆方向から1度だけしか歩いたことのない道でもある。
来春は、マユミの雌花見たさに、回り道をするようになるかも知れない。
この日は、この場所に至るまで小尾根を2本越えてきた。

3本目の小尾根の末端を回りこみ、目的の斜面の登り口を目指した。
その途中、突然の、ヨツバハギ(四葉萩)の熟した果実(莢)の発見があった。
初見の熟した莢であった。標準のヨツバハギの熟した莢を知らないが、目に付いた莢は汚くかびているいるようにも見えた。
着莢率は低いようである。そして、落莢率は高いように思えた。
季節的なものなのだろう、莢の割れ始めているものもあった。
いずれにしても、いかにも豆果(莢果)の雰囲気だった。
莢の長さ、33mm。果柄を含めると、37mmだった。

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画像 12 ヨツバハギの熟した果実(莢)   


この場所は9月27日にもヨツバハギの探索で通った。その時は、若いヨツバハギを確認しただけで、このヨツバハギの存在に気付かなかった。
もしも、その時に気付いていれば、若い果実の着莢数が確認できたのだろう。そのことを思うと残念でならない。

ニシキギ(錦木)の果実 があった。裂開してどのくらい経ったものだろうか、萎びた果実は裂開して種子が出ていた。


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画像 13 ニシキギの萎びた果実    



沢に落ちる斜面に伐採跡があった。そして、林内作業車用の道があった。
寄り道になってしまうが、気が向いたので、林内作業車用の道に入ってみた。
植林された痕跡はない。何の目的で雑木林を伐採したのかは不明。

林内作業車用の道の行き詰まりまで歩いてみた。
そしたら、右の後脚が欠落した雌の露虫(ツユムシ)がいた。
翅端長は、35mm。体長は、20mmだった。
画像で確認したら、触角の白色の入る段だら縞から、アシグロツユムシ(脚黒露虫)のように思えた。

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画像 14 アシグロツユムシの雌    


しかし、露虫の仲間をじっくりと観察したことがないので、同定には至らなかった。
それでも、その後に調べたら、露虫の仲間は複眼の色による識別方法があることが判った。
触角の段だら縞模様と併せて、複眼が青みを帯びた灰色なので、アシグロツユムシと同定できた。
アシグロツユムシの和名のいわれになっている脚黒(後脚脛節が黒っぽく見える)は、今回は当てはまらなかった。

アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)の果実(種子の入った痩果)が眼前にあったので撮影した。
この地方では、泥棒草(どろぼうぐさ)の代表格として知名度は高いが、実際は、何処にでも繁茂しているコセンダングサ(小栴檀草)ほど勢力が強くないようである。
また、コセンダングサは知名度が低く、コセンダングサのことをアメリカセンダングサと思っている人が多いようだ。
近年は悪の権化といえば、人災により原発を破損させて、放射性物質を国土にばら撒いた東電を思い浮かべる方が多いと思うが、世界的に悪の権化といえば、悪い国の代表格のアメリカを連想する方が多いと思う。
そんなことから、泥棒草の悪いイメージだけで、アメリカセンダングサの知名度だけが高くなっているようだ。

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画像 15 アメリカセンダングサの果実   



ヒヨドリバナ(鵯花)の冠毛と果実が目に付いたので撮影した。

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画像 16 ヒヨドリバナの冠毛と果実   


そのヒヨドリバナに前翅長が12mmの小灰(シジミ)蝶がとまっていた。前翅を後翅の内側に下ろしていた。

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画像 17 ヒヨドリバナにとまっていた小灰(シジミ)蝶   


後にヤマトシジミ(大和小灰蝶)と判った(※ 1)。

ついでなので、コセンダングサの果実も撮影した。

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画像 18 コセンダングサの果実   


アメリカセンダングサも、コセンダングサも、いじめられないので草丈は2m前後に伸びていた。

伐採跡地に寄り道をしてしまったこともあり、登る予定だった気になっている斜面に辿りつく前に時間切れになってしまった。
仕方ないので、一旦、山麓に下りた。晩秋の夕刻なので、往路を戻ると、山中で、釣瓶落とし(つるべおとし)に遭いそうな時刻だった。
山中で、秋の日は釣瓶落としも困るので、ちょっと回り道になってしまうが、自転車を置いた場所には道路を歩いて戻った。


※ 1
小灰(シジミ)蝶は、ヤマトシジミ(大和小灰蝶)か、ルリシジミ(瑠璃小灰蝶)か、自力で判別できなかった。
翅は大分すれていて、なおかつ、前翅を後翅の内側に下ろしていたので、前翅の斑紋の有無も確認できなかった。
そこで、ぷてろんワールド ~蝶の百科事典・図鑑~ http://www.pteron-world.com/ の掲示板で教えてもらった。
管理人の虫キチコージさん、お世話様でした。


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タイトルを「晩秋の果実など」としたが、「初冬の果実など」の方がふさわしかったかも知れない。
昼行性のフユシャクが目立つようになってきたので、季節は初冬なのかも知れない。
暦通りに表現すればそれまでだが、実際の季節の境目は曖昧で、今回は、何と表現してよいのか判断に困ってしまった。




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