ナンテンハギ(南天萩)が咲いていた

今年はヨツバハギ(四葉萩)の花は見られなかった。
6月から観察を始め、蕾を確認するまでは順調だったのだが、イノシシ(猪)に踏み倒されてしまった。それで、花から後の観察は断念せざるを得なかった。
ところで、ヨツバハギと同じマメ科ソラマメ属に、ナンテンハギ(南天萩)がある。
なお、ナンテンハギは、通称フタバハギ(双葉萩)とも呼ばれる。私は、数十年前に、当時の簡易図鑑で、「フタバハギ」と憶えてしまったので、ナンテンハギよりもフタバハギの方が呼び易い。
昨年は、ヨツバハギを見たものだから、どうせなら、ナンテンハギも見てみたいと思っていた。
そのような時に、ナンテンハギを探す努力をしていたわけではないが、偶然に花を見ることができた。


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画像 1 ナンテンハギが咲いていた  


2015年10月10日は、曇天。朝は晴れていたのだが、天気予報が外れ、暗いままの曇りになってしまった。
暗い曇天が幸いしたのか、ヨツバハギの花が見えた。踏み込むのに躊躇するような笹藪の上にヨツバハギの花が咲いていた。
近寄って、眺めてみた。一旦は、ヨツバハギの花では?と、思ってしまったが、記憶にあるヨツバハギの花とは微妙に違った。
また、花序の本数が多く、昨年のヨツバハギと比べると全体が賑やかだった。
笹の葉を掻き分けて、どうにか、葉を確認した。1対の葉だったので、ナンテンハギ (フタバハギ)と判断した。小葉は思っていた(漠然と想像していた)ほど細長くなかった。


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画像 2 ナンテンハギの若い蕾  


花も盛りだったが、蕾も目立った(画像 2 、画像 3 )。
花序の数が多いので、賑やかな雰囲気だった。


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画像 3 ナンテンハギの蕾  


葉は、笹の陰で、ちょうど好い具合の物が観察できなかった。
それでもどうにか写っている物があった。
小葉柄は短かった。短いといっても、ヨツバハギに比べると、ずいぶんと長いようである。
托葉は撮影の角度が悪く、その存在だけしか写らなかった。
いずれにしても、羽状複葉の小葉が1対ということは確認できた(画像 4 )。


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画像 4 ナンテンハギの葉 葉柄 托葉  


薄紫色の花もあった。
色合いからして、一旦は、別の種類とも思った。しかし、若い果実(莢)が見えたので、盛りが過ぎて色褪せてきた花であろうと思った。
花序に沢山の花を付けるが、落花した状態から推測すると、結実率は低いようだった(画像 5 )。


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画像 5 色褪せてきたナンテンハギの花  


なお、画像 5 の右下の位置に若い果実(豆果)が写っていた。


果実が成熟する様子。そして、莢から種子(豆)の出る様子などを観察してみたい。と、俄かに観察課題ができてしまった。
ヨツバハギの花後の変化を見てみたいという願望が果たせていないので、同属の、一見似たような植物の観察には躊躇なく継続観察をしてみたいと虫がうずいてしまった。


2015年10月10日の道草の記



ナンテンハギ(南天萩)
マメ科ソラマメ属
Vicia unijuga
多年生草本である。
通称、フタバハギ(双葉萩)。フタバ(双葉)は、羽状複葉の小葉が1対、2枚によるという。
また、ナンテンハギは、ハギ(萩)といっても、マメ科ハギ属の木本系のヤマハギの仲間(ヤマハギ亜属)や、草本系のメドハギの仲間(メドハギ亜属)とは離れている。

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画像 6 ナンテンハギの花  





この場所、笹の種類は不明だが、笹藪の中。この笹藪の縁は、ヤブマメ(藪豆)の葉が目立った。
笹藪の中で、ヤブマメ、ヤマノイモ(山の芋)、ヘクソカズラ(屁糞葛)と賑やかに混生していた。
ヤブマメは笹藪の縁で容易に観察できるが、ナンテンハギ、ヤマノイモと、ヘクソカズラは、笹藪の上に出ているが手が届かない。
もっとも、ヤマノイモと、ヘクソカズラは、この場所で観察するつもりはない。ナンテンハギだけが観察できれば好いのだ。
ナンテンハギだけで好いといっても、密藪で踏み込めない。そこで、藪の縁に脚を押し付けて立ち、両腕を伸ばして、見当を付けて撮影。
撮影した画像がうまく写っていればめでたしである。
そんな風にして撮影したのが、画像 1 ~画像 6 である。

思いがけず、ナンテンハギが見られたので、わくわくした道草であった。


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Webでナンテンハギの事を調べていたら、ミヤマタニワタシ(深山谷渡)という植物の存在を知った。
ミヤマタニワタシは、ナンテンハギと同属(マメ科ソラマメ属)とのこと。一見、似ていて、紛らわしいとのこと。
ナンテンハギの実物が初めてなのに、似ていて、紛らわしいミヤマタニワタシの存在を知り、ナンテンハギの同定に至るまでには調べることが多くなってしまった。

ミヤマタニワタシは、葉柄が短く、小葉柄が無柄とのこと。
そして、ナンテンハギとミヤマタニワタシでは、基本的に生育環境が異なる。
なお、出蕾から花期においては顕著な違いがある。花柄の基部の苞(苞葉)の形状と、長さの違いだそうだ。
それと、ミヤマタニワタシは花期に苞が残り、ナンテンハギは開花前に苞が落ちてしまうとのこと。
ミヤマタニワタシの苞は広卵形~狭卵形で、長さは3~8㎜とのこと。一方、ナンテンハギの苞は線形で、長さ約1 ㎜とのこと。

画像 2 の花柄の基部に小さな棘状のものが写っている。もしかしたら、これが、ナンテンハギの苞なのだろうか。
開花時の画像が少なくて、また、撮影角度が足らなく、開花時に花柄の基部の小さな棘状のものが残っていたのかどうかは未確認。
来年以降じっくりと観察してみたいものである。


ナンテンハギの別名: フタバハギ、アズキナ(小豆菜)、タニワタシ(谷渡)
漢字表記以外は、「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info( 2015年10月14日). による。



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