ヘクソカズラを食うホシヒメホウジャクの幼虫

偶然の出遭いだが、アカネ科の植物、ヘクソカズラ(屁糞葛)を食うホシヒメホウジャク(星姫蜂雀蛾)の幼虫を見た。
ヘクソカズラと、その周辺の植物に溶け込むような迷彩模様の幼虫だった。
ちょうど、つる性の植物が気になるようになった時であった。つる性の植物が気にならなかったら出遭うことはなかったかも知れない。


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画像 1 不気味に思えた初見の芋虫。後に、ホシヒメホウジャクの幼虫と判る。  


きっかけは、2015年9月26日に、ガガイモ科のオオカモメヅル(大鴎蔓)を見たことによる。それから、つる性の植物が気になるようになった。
そして、10月3日の丘陵散歩の時に、果実を付けたつる性の植物が目に付いた。
初見の植物に思えたので、同定のために、それなりに特徴を観察した。
観察しながら、茎(蔓)を追っていくと、その植物と周辺の景色に溶け込むような迷彩模様の幼虫がいた。
その幼虫は、ひたすら、その植物の葉を食っていた。立派な尾角があったので雀蛾の仲間の幼虫であろうと見当を付けた。


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画像 2 ヘクソカズラ 果実と葉  


帰宅後、先ず、植物を調べた。幼虫の食餌植物が判れば、後の正体調べが楽になるからである。
植物は、直ぐに、ヘクソカズラと判った。
ヘクソカズラは私にとっては既知の植物であった。我が家にはびこって迷惑している植物で、わざわざ、観察したこともない。
そして、ヘクソカズラは、ほとんど毎日のように目にしているが、興味の対象外の植物であった。
さらに、この数年、季節になると、果実は、若いヒヨドリ(鵯)が好み、糞害で迷惑を被っている。
一応、ヘクソカズラは、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性の多年草。


幼虫の方は、Webにて、「ヘクソカズラ スズメ蛾」で検索して、ホシホウジャク(星蜂雀蛾)と、ホシヒメホウジャクが候補に挙がった。
蜂雀の成虫は、自宅や、丘陵地帯の山麓で、時々見掛ける。しかし、羽ばたきが早く、なおかつ、一箇所に落ち着いていないので、撮影もできず、名前(和名)の同定すらできないでいる。


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画像 3 枯葉色と黄色の迷彩柄の幼虫 尾角は背面側に反っていた  


今回、幼虫の画像をどうにか撮れたので、名前(和名)の同定を試みた。
出遭った場所は切通しの法面。撮影者にとっては足下が不安定で、じっくりと撮影できなかった。それでも、どうにか撮った画像を頼りに、ホシホウジャクなのか、それとも、ホシヒメホウジャクなのか調べてみた。
結果は、ホシヒメホウジャクであった。


ホシヒメホウジャク(星姫蜂雀蛾)
チョウ目(鱗翅目) スズメガ科 ホウジャク亜科 Neogurelca属
Neogurelca himachala
食餌植物 幼虫は、ヘクソカズラの葉を食う
この日の幼虫の体長は曲りなりに35mmであった。


2015年10月3日の道草の記


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画像 4 第3腹節の腹脚    


撮影しながら気付いたのだが、腹部に小さい変な物があった。
何者かに寄生されているのだろうか。などと思ったが、調べてみたら、第3腹節(第3腹環節)の腹脚だった。
鱗翅目の標準的な幼虫は、第3腹節~第6腹節に、各腹節に1対ずつの腹脚がある。計4対ということになる。
しかし、この幼虫は、第3腹節の腹脚は飾り程度の物だった。退化(進化)の過程なのだろうか。


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画像 5 ヘクソカズラの葉を食っているホシヒメホウジャクの幼虫  


画像 1 と、画像 5 には、胸脚の黒条が写っている。胸脚の黒条は、ホシヒメホウジャクの幼虫の特徴のひとつでもある。

目のような模様の小さな気門 も識別の特徴になるようだが、この記事では触れない。
一応、画像 1 には、前胸部の気門が明確に写っている。そして、画像 4 には、腹部(第1~第4腹節)の気門が写っている。 



同定の覚え

   同定にあたり、ホシホウジャクと、ホシヒメホウジャクの幼虫の特徴を比較してみた

 尾角の先端尾角の長さ胸脚の黒色頭部の大きさ
ホシホウジャク黄色などの明色短め腿節の側面小さい
ホシヒメホウジャク黒色長め黒条小さい


表が見づらいので、以下に、文章で補足しておく。

食草(食餌植物)が同じで、同属のホシホウジャクと、ホシヒメホウジャクの幼虫。初見で、一方だけの観察だったので、同定には悩む所があった。
先ず、頭部の大きさ。共に小さいとのことだが、ホシヒメホウジャクの幼虫に比べると、ホシホウジャクの幼虫の方がより小さいとのこと。しかし、初見であり、一方しか見ていないので、判断はできなかった。
尾角関連と、胸脚の黒色についてはさほど悩まずに済んだ。そして、好い判断材料になった。
尾角や、尾角の先端の色具合。画像 3 に、背面側に反っている立派な尾角が写っている。色具合や、長さの具合が、ホシヒメホウジャクの幼虫であろうと判断できた。
胸脚の黒色については、画像 1 と、画像 5 に、胸脚の黒条(黒色の線)が写っていた。胸脚の黒条は、ホシヒメホウジャクの幼虫の特徴のひとつでもあるとのことだった。画像を眺めて、なるほどと思った。ホシホウジャクの幼虫では、腿節の側面のみに黒色があるとのことであった。


腹節の数え方や気門の位置などの覚え

腹節の数え方や気門の位置など。
腹節(腹環節)や気門という用語は、鱗翅目の幼虫を見る機会ができてきた2011年に初めて知った。
用語として、漠然としか理解していない。それでも、最近になって、腹節の数え方や気門の位置などが解ってきた。
頭部から始まり、胸部の3節の次が、腹部の節(腹節)が始まる。そして、第3腹節~第6腹節に、1対ずつの腹脚がある。
気門は前胸にもあるが、腹部では第1腹節から始まり、各節にある。幼虫を側面から見られれば、気門を数えていき、第3腹節の位置が判る。
なお、3対の胸脚(胸部の3節に各1対)が終われば、腹部の第1腹節が始まる。


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「ヘクソカズラ スズメ蛾」で検索して、主に参考にしたページ
スズメガの見分け方1
http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Tama/1915/moth/suzumekamiwake1.html(※ 1 リンク切れ)


その後、この場所を訪れてみた。
10月10日は、蔓だけ残し、葉は食い尽くされていた。
10月24日は、法面が刈り払わられていた。


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※ 1 リンク切れ 2019年10月23日、アザミの仲間で吸蜜している蜂雀(ほうじゃく)を見た。撮影した画像を確認したら、この記事の成虫、ホシヒメホウジャクだった。
10月6日はホシホウジャクの吸蜜を見た。その数日前は曇天の夕刻にヘクソカズラの葉裏に産卵する蜂雀を見ている。さらに数日前、我家に蜂雀が頻繁に来ていた。我家のクソカズラを駆除しきれないので数株残っている。これは産卵に来ていたものであろうと思うようになった。この秋は蜂雀に縁があったようだ。
ちょうど、ホシヒメホウジャクを見たので、本記事で参考にしたページの確認をしようと思ったら、
「Yahoo!ジオシティーズは終了しました
2019年3月31日をもちましてYahoo!ジオシティーズのサービス提供を終了いたしました。長らくご愛顧いただき誠にありがとうございました」とのことで、確認できなかった。
2019年10月23日追記




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