ツマキチョウの春 ダビドサナエは羽化を始めていた

 2021年4月3日、野周りフィールドの川へ出かけた。目的はダビドサナエ(だびど早苗)と、ニホンカワトンボ(日本川蜻蛉)。昨年(2020年)は4月3日にダビドサナエ。4月4日にニホンカワトンボを確認した。この冬も昨年と同じような暖冬だったので、既に羽化しているだろうと踏んで出かけた次第である。一時は晴れていて、心地好い春の蜻蛉観察の予感がした。ところが、現地に着いた時には曇り。花曇りの観察日になってしまった。

 流れの1箇所目、全く存在する必要のないオオカワヂシャ(大川萵苣)が繁茂してしまっている。
 昨年は蜻蛉観察をしながら弁当を食べたり、一服点けたりするお気に入りの場所があった。ところがその場所は水面が繁茂したオオカワヂシャで覆われてしまっていた。結局、昨年のお気に入りの場所で休むことなく戻ることにした。
 もっとも、蜻蛉の姿を探しながら戻った。途中、倒木で進路を躊躇していると、ニホンカワトンボの雄がやって来た。橙色翅型の雄だった。記録撮影をすべく、着地地点を確認して近付くのだが、その度毎に逃げられてしまった。眼前を横切るツマキチョウ(褄黄蝶)に目もくれずに3度追ったが、終いには緑の中で高いところに逃げられ見失ってしまった。

 少しの間、若いニホンカワトンボ好みの草原を彷徨った。そして、2箇所目の観察地点に移動して弁当休み。この観察地点、周辺を鎌と鋸で除伐予定。
 若いニホンカワトンボが訪れるかと期待しながら休んでいたが、数多くのツマキチョウが通過するだけだった。南東風も弱く、気温は20℃だった。
 
 3箇所目はほとんど低水域の疎林と草地。観察通路としての踏み跡を残すつもりで時々歩いているのである。今年は徹底的に若いヒナタイノコヅチ(日向猪子槌)を抜き取る予定でいる。
 そんな疎林と草地でオオアラセイトウ(大紫羅欄花)を踏み倒しながら踏み跡をなぞった。すると眼前に赤色糸蜻蛉の飛ぶ姿。
 恐らくアジアイトトンボ(亜細亜糸蜻蛉)の未熟雌であろう。記録撮影をすべく追いかける。彼の蜻蛉は止まり場所を求めているのだが気に入った草が中々見つからなかったようだ。足元の状況も未知の草原を蜻蛉の飛ぶ姿だけを追いかけた。
 やっと草に止まってくれたので記録撮影(画像 1 )。ファインダ越しに、胸側と腹部側面の赤橙色からアジアイトトンボの未熟雌と確認。戻りながら未発色の未熟雄を発見。羽化して間もないテネラル(teneral)と呼ぶ状態だった。薄暗い曇り空で明るさの足らない中、長さ30mm足らずの糸蜻蛉が好く見つかったと我ながら感心した(画像 2 )。
 未熟雌をもう1匹確認したので、これも記録撮影(画像 3 )。その後、迷いながら踏み跡に戻った。狭い範囲ではあるが始めて足を踏み入れた場所。それも、糸蜻蛉の姿だけ追いかけて歩いたので、観察後にちょっと迷ったのであった。

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▲ 画像 1 やっと止まってくれたアジアイトトンボ 未熟雌   


 
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▲ 画像 2 止まっていたアジアイトトンボ テネラルな雄   



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▲ 画像 3 どこからか現れたアジアイトトンボ 未熟雌   


 なお、未熟雌はすいーっと上手に飛び、テネラルな雄は下手に羽ばたくガガンボ飛びだった。

 流水域であるが、未熟なアジアイトトンボの姿が確認できたのは一大成果であった。


 花曇りながら時刻的に明るさも残っていたので、ニホンカワトンボの姿を求めて1箇所目の観察場所を覗いた。
 ニホンカワトンボの姿はなかったが、オオカワヂシャの葉の上に不均翅亜目の羽化殻を発見。場所と、季節からダビドサナエと思い込み記録撮影(画像 4 )と回収をした。白色の糸状に見える気管の鮮度が好かったの新しい羽化殻に間違いはない。
 結局、半径50cm程の場所で羽化殻をあと3個確認した。この地点で計4個の回収だった。長靴で足は濡れないが、水流に浸かっていたので、冷えて尿意をもようしてしまった。偶然だが、羽化殻は5m程下流でも確認した。


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▲ 画像 4 オオカワヂシャの葉の上にダビドサナエの羽化殻   



 
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▲ 画像 5 泥をまとった羽化殻 白糸状の気管の名残がなければ周囲に同化している   



 
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▲ 画像 6 白糸状の気管の名残がなけれが発見困難 ダビドサナエの羽化殻   



 欲でオオカワヂシャを掻き分けて丹念に探せば、更にいくつかの羽化殻は見つかったかもしれない。が、時刻的なことと疲れが出ていたのでその後は羽化殻探しはしなかった。それでも、成虫の姿は見逃したが、ダビドサナエは羽化を始めていたことは確認できた。


 この文のタイトルに「ツマキチョウの春」と入っているが、あまりにもツマキチョウの姿が眼についたので、川原の春が来た証として入れた次第である。春だけの蝶、ツマキチョウは気になるが、蜻蛉観察が優先してしまうので継続観察は出来ないのが現状である。
 
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▲ 画像 7 ツマキチョウが3匹 左と右は明確に若い♂   



 

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▲ 画像 8 ツマキチョウ 若い♂   




 翌4日が曇天から雨天の天気予報だった。そこで、疲れた身体に鞭打っての前倒し観察探訪であった。成虫の撮影はできなかったがダビドサナエもニホンカワトンボ昨年同様に発生していることが確認できた。蝶ではあるがツマキチョウも昨年同様であった。
 更なる成果は、アジアイトトンボの確認。前出と同文だが、流水域であるが、未熟なアジアイトトンボの姿が確認できたのは一大成果であった。

 止水域を好むアジアイトトンボが、何ゆえかひっそりと世代交代し続けていることが興味深い。この水流で2018年8月に雄を初見して以来、夏から秋に時々見かけていた。それと、秋に産卵も確認した。が、未熟成虫は初見であった。



   ---   Rem この日眼についたシロチョウ科
ツマキチョウ(褄黄蝶)
モンシロチョウ(紋白蝶)
キタキチョウ(北黄蝶)
スジグロシロチョウ(筋黒白蝶)




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