やっと出たクロイトトンボ

2018年5月20日、やっとクロイトトンボ(黒糸蜻蛉)が出た。
この日の野周りの最後は、丘陵地帯山麓の水辺に立ち寄った。
この場所、例年、5月の初めにはクロイトトンボ達で賑やかな場所である。ところが、今年はまったく姿を現さないままだった。
この日、途中で寄ってきた、クロイトトンボの他の観察地でも姿がなかったので、諦め気分だった。


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画像 1 カメラのストラップにとまったテネラルな雄  


確かに、この水辺にも、まったく、クロイトトンボの姿はなかった。
ところが、下手な飛び方の糸蜻蛉が飛び出てきて、岸の草へとまった。とまったのは判ったのだが、目視で蜻蛉の姿が確認できなかった。
眼を凝らしていると、地面近くの草から下手に飛び立った。そして、今度はカメラのストラップにとまった。
目視では無色か、乳白色の糸蜻蛉だが、間近で見れば、クロイトトンボの若い雄だった。


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画像 2 複眼の色と眼後紋の色がいかにもテネラル  


過去に、この水辺では、クロイトトンボ属の糸蜻蛉はクロイトトンボしか確認していない。
初見種では識別に悩んでしまうが、カメラのストラップにとまった糸蜻蛉は、眼後紋だけあって、後頭条がないので容易にクロイトトンボと判った。
もっとも、羽化して間もないテネラル(teneral)な状態なので、眼後紋は発色しておらず、撮影した画像がなければ、眼後紋の存在に気付かなかったかも知れない(画像 2 )。
昨年(2017年)の5月5日に記録した当日羽化の雌よりも、更にテネラル感のある個体だった。(※ 1 )


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画像 3 腹部第8、9節の2箇所の帯模様もやっと発色している  


全身の背面画像(画像 3 )では、腹部第8、9節の2箇所が薄紫色の帯模様で、第8節の帯模様の切り欠きも写っていた。この腹部第8、9節の2箇所の帯模様からもクロイトトンボの雄と判断できた。

非接触だが、まだ体は柔らかく固まっていない状態なのは昨年の観察で分かっている。
腹部第8、9節の2箇所が薄紫色の帯模様も、体の固まりが進むに従って、水色に変化していくのであろう。


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画像 4 胸側は未発色  


胸側(胸部側面)は、黒条以外はまったくの未発色だった(画像 4 )。

胸側の色は、昨年の観察では、黄色もしくは草緑色に変化して、その後、未熟な状態で水色になるのを確認している。


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画像 5 糸蜻蛉の羽化殻 ?  


この糸蜻蛉が飛び出てきた方向で池の中を覗くと、ハス(蓮)の葉の上に羽化殻らしき物があった(画像5 )。
羽化殻だとすると、羽化間もないテネラルな雄の物の可能性は高いと思う。
残念ながら、2m以上離れているので、羽化殻らしき物の回収は出来ずに諦めた。


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クロイトトンボ(黒糸蜻蛉)
均翅亜目(イトトンボ亜目) イトトンボ科 クロイトトンボ属
Paracercion calamorum 

http://yagopedia.com/refbook.php?tombo=44 の「トンボ概要」によると、
♂:全長27~36 mm、腹長20~28 mm、後翅長14~22 mm。
♀:全長29~38 mm、腹長22~30 mm、後翅長16~24 mm。
とのこと。


本文のタイトルが「やっと出たクロイトトンボ」だが、当日羽化の、羽化間もないテネラルと呼ばれる未熟な状態の雄を1匹確認しただけである。
また、水辺で、諦め気分でなく、執念で眺めれば、羽化殻の傍らの羽化間もないクロイトトンボを確認できたかも知れない。
もっとも、出初めの時に、目視で無色か、乳白色に見える細くて小さい静止している糸蜻蛉が眼に入るかと言うと、余程の条件が揃わなければ無理なような気がする。


この日のクロイトトンボは2018年の初見順で15種目。均翅亜目では6種目の蜻蛉となった。
クロイトトンボ属は1種目だが、同属は、例年、クロイトトンボしか確認していない。今後、新たな種と遇えると好いのだが。
もっとも、クロイトトンボ属は他種も似ているので一見しての識別は難しい。それよりも、細く、小さな蜻蛉なので、うっかりすると見落としてしまう可能性が高い。
ともあれ、新たな種との出遭いには期待している。

※ 1  参考記事、暫定録「クロイトトンボ 若い雌雄 」。2017年5月5日の暫定記録。




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