初見? アサヒナカワトンボ

2018年5月4日、山地の沢でアサヒナカワトンボ(朝比奈川蜻蛉)を見た。
さらに、翌日、別の沢でもアサヒナカワトンボを見た。
それまでは、既知の川蜻蛉は、ニホンカワトンボ(日本川蜻蛉)だけだったので、アサヒナカワトンボとの違いがいまひとつピンと来なかった。

なお、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボとの識別点(※ 1 )は理解しているつもりであった。が、しかし、今まではニホンカワトンボしか見ていなかったので、比較対象がなく、実際は違いが明確に理解できていなかった。

今まで2種の川蜻蛉を並べて見たことはない。が、今回単独で川蜻蛉を見てピンと来るものがあった。
これぞ、アサヒナカワトンボ。と、思った。「百聞は一見にしかず」であった。


画像

画像 1 アサヒナカワトンボ 雌 体長50mm程度  


最初の画像は5月5日のもの。足場の都合で、この角度からの画像になってしまった。

ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの区別は難しい。それぞれの形態から区別する方法があるが、捕獲が基本になる。
それは、捕獲して「頭幅長に対する翅胸高の比を見る」という方法である。

一旦捕獲する方法は、捕虫網を持ち歩けない現状の観察散歩ではちょっと無理である。
それでも、上手い角度から撮影できれば見当が付け易くなる。画像 1 は、見当が付けづらい悪い角度である。


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画像 2 アサヒナカワトンボ 雌   


画像 2 も、残念ながら画像 1 と同じ見当が付けづらい悪い角度である。
それでも、頭の幅の見当が付く。そして、こじつけだが、頭の幅(頭幅長)と、翅胸高の長さがほぼ同じに見える。


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画像 3 アサヒナカワトンボ 雌 縁紋と腹端   


さらに、画像 3 の縁紋の形。この縁紋の形が、4月から観続けてきたニホンカワトンボと異なっていた。
実は、縁紋の形は個体差があって、縁紋の形だけでは確実な区別点とはならない。

6月になって知ったのだが、ちょっと複雑だが簡便な方法があった。まだ、試行的なもので、兵庫県やその近隣でのデータによるものである。
簡便な方法の概要は、第1径脈(R1)と第2径脈(R2) 間の横脈数の計測と、縁紋に掛かる横脈数で確認するというものである。
「縁紋に掛かる横脈数」は条件が好ければ撮影した画像から数えることができる。
しかし、確実なのは「第1径脈(R1)と第2径脈(R2) 間の横脈数の計測」と併せて、一旦捕獲する必要があるようである。
と、簡便な方法の概要に触れてみたが、フィールドでこの観察をするのは、余程気持ちの余裕でもなければ大変なことである。

いずれにしても、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボとの区別は、例外を除いて、難しいものである。
そして、一旦捕獲しての観察が基本になる。

運が良ければ、前述したように「縁紋に掛かる横脈数」が画像から確認できることがある。が、撮影は余程粘っても歩留まりは良くない。

訳の分からないようなことを書いてしまったが、詳しくは、「神戸のトンボ」、デジタルトンボ図鑑「カワトンボ科」(更新: 2018.05.19. 12:00)に記載されている。
この方法は当地の、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの区別にも有効のようなので、一度試してみたいと思っている。

なお、画像 3 は、無理やり数えて、縁紋に掛かる横脈が3本であった。
当日直感した頭幅長に対する翅胸高の比と、縁紋の形もさることながら、後で知った縁紋に掛かる横脈数もアサヒナカワトンボで間違いなかったようである。


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画像 4 アサヒナカワトンボ 雄   


画像 5 と共に、5月4日に別の沢で見たアサヒナカワトンボの雄。
ニホンカワトンボと思って撮影したが、後で画像を詳細に見て、アサヒナカワトンボと判った。


画像

画像 5 アサヒナカワトンボ 雄   




アサヒナカワトンボ(朝比奈川蜻蛉)
均翅亜目(イトトンボ亜目) カワトンボ科 カワトンボ属
Mnais pruinosa 

http://yagopedia.com/refbook.php?tombo=10 の「トンボ概要」によると、
♂:全長43~66 mm、腹長32~48 mm、後翅長27~41 mm。
♀:全長42~58 mm、腹長31~44 mm、後翅長30~43 mm。

アサヒナカワトンボで、2018年の初見、11種目。均翅亜目では5種目になった。そして、カワトンボ科は4種目となった。
普通に見られるカワトンボ科は、5種目のハグロトンボ(羽黒蜻蛉)を残すのみとなった。

昨年までなら、この辺りで、均翅亜目のクロイトトンボ(黒糸蜻蛉)が登場するのだが、今年は発生が遅れているようだ。



※ 1
ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボとの識別点は蜻蛉の掲示板で教えていただいた。
青木典司(あおきたかし)さんの運営しているサイト「神戸のトンボ」の「神戸のトンボ広場」という掲示板である。


   ---   付記 
2016年にWeb で調べて、  
当地はニホンカワトンボとアサヒナカワトンボが生息する県域である。
ただし、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボが混生しない県域なので、混生はないと思われる。
とのことだった。

2018年になり、当地にアサヒナカワトンボが生息していることを確認した。
生息の確認当初はニホンカワトンボとアサヒナカワトンボが棲み分けているいるように思えた。が、特定の場所で、限られた期間混生している可能性があるように思えた。
限られた期間というのは、ニホンカワトンボの出現期と、アサヒナカワトンボの出現期にタイムラグがあることによる。
来期は、混生していると感じたら、画像判定では困難が多いので、捕虫網で一時確保して確認してみたいと思う。
ただし、川蜻蛉の観察に気持ちの余裕を持って、どれだけの時間が割けるかは大いに疑問である。





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