2018年 イカリモンガ 越冬明け、そろそろ交尾

2018年4月1日、この日も蜻蛉の気配を求めて丘陵地帯で偵察。
とあるくぼの入り口に差し掛かる時、覗こうか覗くまいかと躊躇した。そのくぼは、2016年4月30日に偶然であるが、カワトンボの仲間の若い雌雄を観察したことがある。
まだカワトンボの仲間が来ているとも思えないので、覗こうか、それとも他所の偵察に回ろうかと思ったのであった。
そんな時、見上げた、入り口の低木に小さな蝶のようなものがとまったのが見えた。
正体を確認すべく、斜面をよじ登った。水平位置から見える場所まで登ったら、蝶らしきものはくぼの中へ飛んでいってしまった。
成り行きで、追いかけた。足元も見ないで、目線は蝶らしきものを追った。300m程追尾したら、撮影可能な位置にとまってくれた。
ファインダを覗いたら、イカリモンガ(碇紋蛾)だった(画像 1 )。


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画像 1 今年初めてのイカリモンガ   


イカリモンガは一見蝶のようだが、蝶でなく蛾の仲間。
もっとも、蝶も蛾も鱗翅目(チョウ目)に分類されている。

私などは、初見時はテングチョウ(天狗蝶)と思ってしまった。そして、ファインダを覗いたらテングチョウでなく、未知の蝶だった。それがきっかけで調べたら、イカリモンガという蛾の仲間であった。


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画像 2 ヘアペンシルを出し始めたイカリモンガ 雄  


イカリモンガは成虫で越冬するとのこと。
そして、越冬明けは直ぐに交尾をするようだ。

2015年10月、沢沿いの草むらで、キク科の植物で吸蜜する姿を見た。すでに、その時はイカリモンガの正体を知っていたが、口吻を伸ばす様など、蝶のように見えた。
そして、2016年2月、冬季の林縁で日向ぼっこに出てきたような姿を見た。間近だったが、撮りそびれた。その日は接写用カメラを忘れた日であった。
と、名前を憶えると、出遭うたびに観察し記録するようになる。また、私の行動範囲では生息数が多いのか、それとも目に付く位置を飛ぶのか、意識しなくとも目に付いてしまう鱗翅目の虫である。

ところで、追尾して、とまった姿を撮影できたイカリモンガ(画像 1 )だが、ファインダ越しに眺めていると、腹端から異様なものが出てきた(画像 2 )。
まだ、このブログの記事で公開できていないが、2016年4月10日に、このくぼで多数のイカリモンガの雄を見ている。皆、腹端に異物があったので奇異に思った。

2016年4月に、調べて判ったのだが、腹端から出ていた1対の小さな刷毛状に見えた物体は、ヘアペンシルと呼ばれるもの。
ヘアペンシルは鱗翅目の特定の種類が持っているとのこと。ヘアペンシルのその役目は交尾期の雌の気を引くものとのこと。
イカリモンガのヘアペンシルは雌を誘引するフェロモンを放出するためのもののようである。
画像 8 、画像 9 は、2016年4月10日の撮影だが、ヘアペンシルが刷毛状に広がっているのが確認できる。
ヒトの臭覚では気付かないが、画像の2016年4月の時は、彼のくぼの中は、イカリモンガの雄が雌を誘引するフェロモンで満ち溢れていたのであろう。
なお、2016年4月10日のことは、タイトル「雌を誘うイカリモンガの雄」(テーマ 昆虫雑録)で書きかけのままだが、記事の公開には辿り着かないような気がする。


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画像 3 橙色の碇紋 イカリモンガ   


気が付くと、次々にふわふわとイカリモンガがやって来た。
画像 3 は、とまった直後の個体。橙色の碇紋が鮮やかだった。


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画像 4 前翅を落として碇紋が隠れたイカリモンガ   


撮影をしていると、前翅を落として碇紋が隠れてしまった。


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画像 5 後翅がぼろぼろのイカリモンガ   


後翅がぼろぼろの個体がいた。いかにも、昨秋から厳しい冬を越した越冬成虫の雰囲気があった。


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画像 6 地面にとまったと思ったらテングチョウだった   


くぼ上部の平らで蜻蛉の姿の偵察をしての帰路、翅を広げて地面にとまった個体があった。
そっと近付いて確認したらテングチョウだった。
そういえば、イカリモンガは地面にはとまらないようだ。そして、とまる姿は、いつも翅を閉じているようだ。


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画像 7 前翅、後翅ともぼろぼろののイカリモンガ   


くぼの出口付近で、画像 5 以上に翅のぼろぼろの個体を見た。後翅だけでなく、前翅もぼろぼろだった。


以下は、参考画像。2016年4月10日のヘアペンシルが刷毛状に広がっているのが明瞭。
画像 2 は、その時のためにヘアペンシルを出す練習でもしているところだったのであろうか。


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画像 8 ヘアペンシルを出したイカリモンガ 雄 2016年4月  


画像 8 、画像 9 は、2匹の雄だが、2016年4月に目撃したイカリモンガは全てがとまっている雄で、ヘアペンシル(刷毛状のもの)を広げていた。
残念なことに、その時は、雌の姿は1匹もなかった。


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画像 9 ヘアペンシルを出したイカリモンガ 雄   


雌の姿は1匹もなかったので、交尾の様子も確認していない。

秋口の吸蜜姿は、キク科のシオン属 、アザミ属 、モミジハグマ属 の植物で確認しているが、ヒト嫌いで巧く撮らせてくれない。
ところが、越冬明けの4月は、雄の場合、雌だけに関心があるのか、ヒトは無視しているようだ。
この記事を書いているのが4月19日。タイトルに「そろそろ交尾」と入れたが、今年の交尾の最盛期は過ぎてしまったかも知れない。
彼のくぼで、気象条件と日時が合えば集団交尾が観察できるかも知れない。
機会があったら、是非観察してみたいものである。
イカリソウ(碇草・錨草)の咲き始が、越冬明けのイカリモンガの交尾期のような気がしている。


イカリモンガは蛾の仲間だが、蝶の仲間のことを記す、新設のテーマ「蝶々覚え」の記事に加えた。

   ---   イカリモンガ関連の記事
テングチョウと間違えたイカリモンガ 」 2015/06/21 「昆虫雑録」 ・「出遭い」




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