2018年 陽だまりの春の蝶

2018年3月31日、陽射しは暑いが、南東風が冷たい日だった。
弁当を摂る都合で、南東風を避けて、ある谷筋に入った。
谷筋に入ると、弁当を摂る予定の場所が、ちょうど陽だまりになっていた。そして、テングチョウ(天狗蝶)が2匹出迎えてくれた。
テングチョウが出迎えてくれたので、その谷筋に沿って歩いてみることにした。


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画像 1 テングチョウ   


南東風を避けて、弁当を摂るつもりで入った谷筋だが、足元から何かが飛び立った。
落ち葉を踏む足音を嫌がったテングチョウだった。
眺めていると、2匹のテングチョウが陣取りをしていた。
テングチョウを撮影しながら、弁当を摂った。この場所では、弁当が済んだら戻るつもりだったが、テングチョウいたので気が変わって、谷筋の奥へと足を運んだ。


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画像 2 ミヤマセセリ   


谷筋の日向はエイザンスミレ(叡山菫)の花盛りだった。が、日当たりが好過ぎて、エイザンスミレは巧く撮影できなかった。

先へ進むと、テングチョウよりも二回り程小さく感じた蝶が飛び回っていた。
忙しく飛び、その姿は黒色に見えた。
数匹が飛び回っていたので、とまりそうな個体を目で追った。そしたら、運良く、とまってくれた。しかし、残念ながら逆光だった(画像 2)。
それでも、ファインダ越しにミヤマセセリ(深山挵)と判った。

テングチョウは成虫で越冬するが、ミヤマセセリは春に羽化する蝶。
そして、ミヤマセセリは4月中に姿を消してしまう。過去に5月の第1週に翅のぼろぼろになった個体を見たことがあるが、沢山目に付くのは4月の上旬、中旬である。


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画像 3 翅の後縁がいかにも越冬明けのテングチョウ   


翅の後縁が、いかにもぼろぼろで、厳しい冬を越した雰囲気が十分なテングチョウがいた(画像 3 )。


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画像 4 翅の傷んでいないテングチョウ   


画像 3 の個体と比べると、翅の縁の傷んでいない個体がいた(画像 4 )。
このテングチョウも厳しい冬を越した越冬明けの蝶だが、翅の傷み具合の違いは何なのだろうか。


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画像 5 蝿が来たので翅を閉じるテングチョウ   


落葉の上で翅を広げ日向ぼっこしている個体を観ていたら、突然に翅を閉じた。
蝿の仲間が背後にやってきたのであった。背後の視覚も敏感に反応するようだ。

明るい陽射しの中、蝿の仲間や、虻の仲間も数種類が目に付いた。目撃した時点で名前が判ったのはビロードツリアブ(天鵞絨吊虻)だけだった。


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画像 6 翅を閉じたテングチョウ 雄  


テングチョウの閉翅姿が撮影できた。翅裏は見事な枯れは迷彩(画像 6 )。

この翅裏模様の個体、観察中だったので、気付いた。が、突然に眺めても、存在を識別するのは容易ではない。
もっとも、ほとんどの蝶が、それぞれの適した環境に閉翅状態で止まっていると見落としてしまう。

画像 6 の個体、撮影角度がよかったので、中脚と後脚が写っていた。一見、前脚が見当たらないので雄と確認できた。
同じような角度で撮影して、前脚も写っていれば雌である。
閉翅姿のテングチョウは、4本脚に見えれば雄。通常の6本脚なら雌。と、雌雄の簡易識別ができる。但し、脚の毛深さにも留意しなくてはいけないとのこと。


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画像 7 翅を開いてとまるミヤマセセリ 雄   


次から次へと出てくるテングチョウに釣られて奥へ奥へと進んでしまった。
後の予定もあるので、戻ることにした。

戻りの途中、ミヤマセセリのとまりそうな場所で待ってみた。
この日のミヤマセセリはテングチョウのようにじっくりととまってくれなかった。とまったのを確認して、ファインダを覗くと、ピント合わせをしている間に飛び去られてしまっていた。
そこで、若干の時間の余裕もあったので、ミヤマセセリのとまりそうな場所で待ってみたのであった。
結果、画像 7 のミヤマセセリが撮れた。翅表の様子が確認できた。

ミヤマセセリは、前翅の表側で容易に雌雄の識別ができるという。
雌の場合、前翅全縁の中央付近から後方に白色系のはっきりした帯状模様がある。雄には、この白色系の帯状模様がないか不明瞭とのこと。
よって、画像 7 のミヤマセセリは雄と確認できた。


以下、画像 8 から画像 10 はおまけ

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画像 8 ミヤマウグイスカグラ   


ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)が咲いていた。
私の肉眼では見えないが、画像ではミヤマウグイスカグラの特徴の腺毛が顕著である。
この地に存在するかどうか分からないが、ウグイスカグラ(鶯神楽)も観てみたいと思っている。


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画像 9 ルリタテハ   


谷筋から離れて、秘密の平らへと回った。
「秘密の平ら」とは大袈裟な表現だが、初夏には「秘密の花園」になり、動物、昆虫など楽園になる場所である。その場所は、何故か、ヒト(人)は入り込まないので、好い季節に時間が許せば1日中遊べる。

時期的に草が生え始めたばかりで何もない平らだが、ビロードツリアブの姿が目立った。
ビロードツリアブ以外に何かいないかと物色しながら歩いていたら、ルリタテハ(瑠璃立羽)が1匹やって来た。
ルリタテハも、テングチョウと同様に、成虫で越冬する蝶である。厳冬期は難しいが、3月になると日向ぼっこをする姿が観られるようになる。
画像 9 のルリタテハは、既に越冬明けで、縄張りを巡回中のようであった。


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画像 10 モンシロチョウ   


更に物色を続けると、白色の蝶が目に付いた。
とまったのを確認して近付いてみるとモンシロチョウ(紋白蝶)のようだった。

半世紀以上前から、モンシロチョウとアゲハチョウ(揚羽蝶)は名前だけは知っていたが、蝶に興味があった訳でもなく観察したこともなかった。
2011年から始めた散歩で、気になった植物を憶え。目に付いた蝶を憶えるようになった。
そんなときに、スジグロシロチョウ(筋黒白蝶)や、モンキチョウ(紋黄蝶)を知り、鱗翅目の「シロチョウ科」を知った。
そのシロチョウ科にモンシロチョウが属していると知ったのもまだ数年のことである。

最近の二、三年、山麓の野菜畑辺りを飛び回っている白い蝶はあらかたモンシロチョウであろうと思うようになってきた。山中では白い蝶はスジグロシロチョウ。山麓の境目辺りは両種が混在しているようで、私の場合、見極めには時間を要してしまうので、極力、観察しないようにしている。

実は、画像 10 の蝶がモンシロチョウであるということは、まだ自信がない。しかし、一般的に平地辺りで見ることのできる白色系のシロチョウ科の蝶の選択肢は限られるので、消去法で行くと、モンシロチョウということになってしまう。
モンシロチョウの雌雄の区別は、開翅状態なら容易である。と、極最近知った。
前翅の付け根からの灰色部分の面積が広いのが雌。雄の場合は、前翅の付け根からの灰色部分の面積が筋状で狭かったり、灰色部分が目立たなかったりする。
ということで、画像 10 は雌のモンシロチョウのようである。



丘陵地帯の散歩は2017年12月から4箇月休んでしまった。
蜻蛉の季節の到来が間近になったので、3月24日から本格的に偵察を始めた。が、丘陵地帯の散歩はこの日が初めてだった。
蜻蛉観察の偵察だったが、山中の陽だまりに、テングチョウと、ミヤマセセリを観て春の訪れを感じた日だった。




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