ヨツボシトンボ登場

2017年5月6日、溜池に着いた時は曇りだった。
不均翅亜目の蜻蛉の姿はなかった。
そろそろ、ヨツボシトンボ(四星蜻蛉)が出現するのであろうと、期待しながら訪れた溜池。ところが、ヨツボシトンボに限らず、不均翅亜目の蜻蛉の姿は皆無だった。
やはり、蜻蛉観察は、曇天の日は無理なのだろうか。

気温は25℃。日が出たら、北東の草藪から、シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)の雄が飛び出てきた。
そして、シオカラトンボに続いて、期待していたヨツボシトンボが飛び出てきた。

お目当てのヨツボシトンボが水辺に登場したので、飛び回る様を眼で追った。
ヨツボシトンボは水生植物の上をホバリング(停止飛翔)しながら空中移動。そして、なかなかとまらない。
その様子から、眼前を飛び回っているのは雄と判断した。

ヨツボシトンボの雌雄の簡単な区別は、尾部付属器の形状の違いを確認すること。
体色や、見た目での、雌雄の区別はできない。但し、水辺での飛び方(習性)で、容易に雌雄の判断ができる。
飛び回っていれば、雄。こっそりと水辺にやって来るのが雌。


画像

画像 1 とまったヨツボシトンボの雄 結節付近に黒色斑がある  


この日、雄と判断した訳は、昨年の観察の記憶からの判断である。
それは、水辺でのヨツボシトンボの雄の飛び方(習性)によるものである。

昨年の観察で、ヨツボシトンボの雄は縄張りを定める。縄張りは、半径10m程度の範囲。
そして、縄張りの中で、ちょこちょことホバリングしながら飛び回る。これは、産卵をする気になった雌が縄張り内に来てはいないかと探しているのだと思われる。などのことが推測できた。
そんな訳で、この日のヨツボシトンボが、ホバリングしながら飛び回っていたので、雄と判断した。

なお、雄は、探し回らなくとも、タイミングが好ければ、とまっていても、縄張りに侵入してきた雌は発見できる。
しかし、実際は、別の雄が、ちょくちょく領空(縄張り)侵犯してくるので、その都度、追尾・駆逐せざるを得ない。
そして、別の雄を追尾・駆逐する度に縄張りから離れざるを得ない。
駆逐から戻れば、産卵をする気になった雌を探しながらの、縄張り内の巡回飛行に戻る。縄張りを空けた間に、雌が来ているのかも知れないので、追尾の全力飛行で疲れた身体に鞭打って、巡回飛行を続けるのである。

とはいいながら、飛び続けていると、疲労も溜まってくるのであろう。とまって翅休めする頻度が高くなり、とまる時間も長くなってくる。
そうなると、とまった姿だが、撮り放題となる。
そして、とまった位置が近ければ、腹端部の尾部付属器が確認できるので、明確に雄と判断できるようになる。


画像

画像 2 とまったヨツボシトンボの雄   



ヨツボシトンボ(四星蜻蛉)
トンボ亜目(不均翅亜目) トンボ科 ヨツボシトンボ属
Libellula quadrimaculata

和名の「ヨツボシ」は、結節付近の黒色斑を、星になぞらえたものという。結節付近の黒色斑が、前翅、後翅に、そして、それぞれ左右にある。合計して、四つ星になる。
結節の斑点を星と呼ぶ発想は素晴らしい。「四黒色斑」や、「四黒斑点」よりも、「四星」の方が明瞭だ。
なお、ヨツボシトンボの「四星」の「星」は、「斑点」のこと。
夜空に浮かぶ「昴星」・「六連星(むつらぼし)」の星とは別の意味である。


画像

画像 3 ヨツボシトンボの雄 胸部と腹部の背面が毛深い  


この溜池でヨツボシトンボの姿が見られるのは5、6週間ほど。
縄張りの主になって、姿を見せてくれる個々の雄の成熟期の寿命は1、2週間程度のような気がする。

溜池にヨツボシトンボ登場。5月6日のことであった。2017年の初見日でもある。
この溜池での、不均翅亜目の蜻蛉では、クロスジギンヤンマ(黒筋銀蜻蜓・黒条銀蜻蜓)、シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)に続いて、3番目の登場だった。
不均翅亜目の蜻蛉達は5月に入ってからだが、均翅亜目の蜻蛉達は4月の末に、アジアイトトンボ(亜細亜糸蜻蛉)、ホソミイトトンボ(細身糸蜻蛉)が登場していた。

この日は、日はほとんど出ず、風の静かな日だった。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック