賑やかになってきたクロイトトンボたち

2016年5月7日、丘陵地帯山麓の水辺の水面はクロイトトンボ(黒糸蜻蛉)たちで賑やかになっていた。
この水辺でのクロイトトンボの今年の初見は5月1日。その時は雄が数匹のみだった。
ところが、1週後のこの日は、水面の水草の上はクロイトトンボ達が数多く賑やかだった。
クロイトトンボ達は、ひたすら雌を待つ雄の姿が多かった。また、雌雄の連結、交尾や、連結産卵の姿も見られた。


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画像 1 クロイトトンボの雄   眼後紋だけで、後頭条のないのが特徴   


クロイトトンボの雄は小さな縄張りを持ち、水草の上で、ひたすらに雌を待っている。


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画像 2 交尾前の雌雄の連結  右が雄  


水草の上では単独の雌は見たことがない。目に付く雌は、雄と連結しているか、交尾中。そして、雄と連結での産卵している姿ばかりである。
なお、この日は見かけなかったが、水際では、単独の雌を時々見掛けることがある。


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画像 3 連結産卵 移動直前   


ハス(蓮)の茎に産卵している雌がいた。
雄が次の産卵場所へ移動しようと羽ばたいていた。


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画像 4 別の産卵場所へ移動中   


ズームアップしたら、飛び去ってしまった。
ところが、悲劇が待ち構えていた。
次の産卵場所に着地するか、しないうちに、若いウシガエル(牛蛙)に呑み込まれてしまった。


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画像 5 クロイトトンボの連結を呑み込んだウシガエル   


クロイトトンボの連結を呑み込んだウシガエルは体長6cm程度。

若いウシガエルが水面に出ているのを時々見かけるが、いつもは、ヒトの気配に過敏に反応し、直ぐに水中に隠れてしまう。
ところが、この日は、何匹もの小さなウシガエル達が、水面に顔を出したり、水草の上に乗っていたりして、ヒトの気配は無視しているようだった。

画像 4 の直後に、待ち構えていたウシガエルがクロイトトンボの連結を呑み込んだのを見て、ウシガエルがヒトの気配で逃げない訳が分かった。
眼前にクロイトトンボがやってくる確率は高いとは思えない。が、産卵に夢中なクロイトトンボは、あちこちと移動するので、ウシガエルにしてみると、じっと待つ価値があるのだろう。

先週までは直ぐに水中に隠れてしまったウシガエルだが、この日は、ヒトの気配を無視してでも餌獲りに集中しているようだった。
きっと、クロイトトンボの産卵が始まったことを本能的に感じたのであろう。


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画像 6 交尾中のクロイトトンボ 左が雄   


クロイトトンボの交尾状態をじっくりと観察したことはないが、雄が、主導権を持って、積極的なように見受けられる。


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画像 7 交尾中のクロイトトンボ 右が雌   


画像 6 と、画像 7 で、雄が、腹部を使って雌を誘導しているように感じられた。
クロイトトンボは、雌雄とも、胸部や、脚部の一部の毛が青灰色の粉を吹いたようになる。成熟の証だという。
今年は、まだ青灰色の粉を吹いたような個体は出現していない。成熟の証がなくも、交尾、産卵が始まっていた。


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画像 8 雌を待つ雄(左)と、交尾中の雌雄(右)   


クロイトトンボの雄は、同種の雄からメスを奪うような行動はとらないようだ。
隣で、雌雄の連結が交尾を始めても知らん振りをしている。



蜻蛉の紀 2016年5月7日、その2
12時、25℃。晴れ、南東の風。
クロイトトンボは、この水辺では労なくして観察できる。それなので、後日の別記録もあるかも知れない。
 
 

   --- 付記
一昨年までは、ただ単に、糸蜻蛉(イトトンボ)としていた。ところが、昨年、種名(名前)を知りたくなった。
そして、調べてみた。その結果、絵合わせで、クロイトトンボ属の仲間までは判った。
この水辺の糸蜻蛉は、雄の場合、腹部末端付近に水色の節が2個ある。そのことから、クロイトトンボ属の仲間のように思うようになった。

ところが、クロイトトンボ属の仲間の観察経験もなく、比較対象になる同属の糸蜻蛉の姿もなく、一種類のみだった。
クロイトトンボ属の仲間の糸蜻蛉は、クロイトトンボ、オオイトトンボ、ムスジイトトンボ、セスジイトトンボ、オオセスジイトトンボが存在するとのこと。

オオセスジイトトンボは、クロイトトンボ属の仲間の中で、他の種類より大きいとのことで、除外できた。
このクロイトトンボ属の糸蜻蛉は、体長が35mm程度の大きさ。離れた位置からの観察のみでは、絵合わせでの限界があった。
それでも、クロイトトンボ(Paracercion calamorum)ではないだろうかと思うようになってきた。

参考にしたサイト
神戸のトンボ Odonata of KOBE- クロイトトンボ属 Paracercion Weekers et Dumont, 2004 http://www.odonata.jp/03imago/Coenagrionidae/Paracercion/ 
★イトトンボの見分け方★ : 富山のトンボ http://tombo2009.exblog.jp/10803370/

均翅亜目、イトトンボ科、クロイトトンボ属の仲間の敷居はまだ高いままである。
それでも、昨年から撮り貯めた画像から、どうにか判定できるようになってきた。
後頭条がないのが、クロイトトンボと、ムスジイトトンボ。眼後紋の形状は、ムスジイトトンボではなく、クロイトトンボ。
よって、観察した糸蜻蛉は、クロイトトンボということになった。



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