よたよたと飛んできた蜻蛉

ヨツボシトンボ(四星蜻蛉)を眺めていたら、羽化間もないと思われる未熟のコシアキトンボ(腰空蜻蛉)がやって来た。


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画像 1 フェンスにとまった未熟な雄のコシアキトンボ  


丘陵地帯の散歩に入る前に、とある溜池に寄り道をして、ヨツボシトンボを眺めていた。
この日はヨツボシトンボの雄が少なかったと見えて、草の茎などにじっくりととまっている雄が目立った。
前週は、ほとんどの場合、同種の雄を追尾していて、草の茎にじっくりととまっていなかった。
それが、この日はヨツボシトンボの雄が草の茎などにじっくりととまっていた。彼らは、己が縄張りと決めた範囲に同種の雄が姿を現さない限り、草の茎などでじっと待機しているようだ。
それと、この日は、交尾状態でゆっくりと飛んだり、交尾直後の雌が直ぐに産卵を始めたり、また、産卵をしている雌の上空で停止飛翔(ホバリング)する雄などと、撮影意欲をそそる被写体も多数あった。
撮影意欲をそそる被写体は残念ながら、抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ)の葉が邪魔をして撮影はできなかった。


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画像 2 未熟な雄のコシアキトンボ 背面  



そんな風に、フェンスにもたれ掛かって池の中のヨツボシトンボ達を眺めていたら、背後に何かの気配を感じた。
振り返って見ると、蜻蛉の翅のような翅を持った怪しい虫が、オスプレイ(Osprey 米軍のティルトローター輸送機)を連想させる状態で、ゆっくり、よたよたと飛んでいた。
何者かと眺めていたら、その虫はフェンスにとまった。
そろりそろりと近付きながら眺めると、とまった姿は蜻蛉のようだった。
腹部の胸部寄りが鮮やかなビビッドカラー(vivid color)の黄色。あまりにも特徴があったので、直ぐにコシアキトンボと思った。
翅は透明のようだ。


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画像 3 未熟な雄のコシアキトンボ 斜め後方から 



それなりに近付いたが、間合いを取って、記録撮影を開始。
離れた位置から目測して、体長、4~5cm。開翅、8~10cm。に、見えた。翅の幅に比べると、胴が短いようだ。
せっかくの未成熟の雄だが、とまった場所が場所なので、真横からの撮影は無理だった。


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画像 4 別カメラで背面を撮影  




離れた位置からからの撮影が済んだので、近接用のカメラを持ちながら近付いた。
観察よりも先に撮影を始めた。
数センチの位置から撮影しても、逃げることはなかった。
体長に比べると、翅開長が異様に長い。そこで、翅開長を測定することにした。
逃げないので捕まえて測定しようとも思ったのだが、余分なストレスを加えても可哀相と思った。
そこで、コンベックスで非接触測定をすることにした。
ところが、うっかりと、コンベックスを、フェンスの網にぶつけてしまった。
それで、その振動がきっかけで、逃げられた。
そんなに遠くには行かないだろうと高をくくり、よたよたと飛んで行く先を眼で追った。ところが、飛んでいった先に樹があり、樹の陰に入ったところで見失ってしまった。


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画像 5 近寄り過ぎて、被写界震度の加減で撮影失敗。腰巻、前額の黄色は成熟すると白色に変化する  


見失った樹木に近付いても姿はなかった。こんなことなら、眼で追わずに、実際に追いかければと思ったが、後の祭りだった。
2016年5月21日、正午頃の出来事だった。
撮影ばかりで、ろくな観察はしなかったが、翅脈(しみゃく) も、翅膜(しまく)も、透明だった。
それと、複眼が濃い茶色。前額は黄色だった。
せっかく近付いたのだが、撮影が優先して、目測は怠ってしまった。


コシアキトンボの翅脈は黒色だったと思っていたが、この日の個体の翅脈は透明だった。
この日のコシアキトンボは、翅脈が透明なので、羽化間もないと思われた。
そして、腹部の黄色い腰巻と、腹部先端(尾の先)の上付属器と下付属器から若過ぎる未成熟な雄と確認できた。


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画像 6 ヒトが近付いても逃げない未熟な雄のコシアキトンボ  


コシアキトンボの羽化の観察経験はないが、本来、羽化後に翅が、伸びて、乾いてから普通に飛んで移動するのだと思う。
ところが、この個体の翅膜は伸びきっておらず、翅は張り切れていなかった。通常、羽化後、どのくらいの時間で翅が乾くのかは知らないが、午頃(ひるごろ)によたよたと飛んでいたのだから、何かの問題のあった個体だろうと思っている。
通常は早朝には羽化して、午前中には普通に飛んでいるのであろう。

翌日の夕方近くに、この溜池を訪れたら、若いコシアキトンボが1匹飛んでいた。
コシアキトンボの飛び回る辺りに近付く前に、前日に姿を見失った樹の脇を飛んで、林の方へ飛んで行ってしまった。
前日の個体がまともに飛べるようになったのか、それとも、別の個体だったのかは定かではない。
いずれにしても、同じ方角に飛んで行ったのだから、その樹の延長線上の林にコシアキトンボ達の棲み処があるのではないかと推測した。
なお、その樹の延長線上には、狭く小さい尾根だが、昔ながらの雑木林が残っている。


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画像 7 未熟な雄のコシアキトンボ  


ヨツボシトンボを観に行って、思いがけず、羽化間もないと思われるコシアキトンボを見ることができた。

同一個体の同じような画像ばかりだが、記録なので、7枚を貼っておくことにた。
画像のタイムスタンプによると、少なくとも8分間は同じ場所に止まっていたことになる。
また、私が、誤ってコンベックスを、フェンスの網にぶつけてしまわなければ、もっと長くとまっていたことと思う。


2016年5月21日
寄り道した溜池での出来事





   --- コシアキトンボ関連の記事
コシアキトンボ オスの翅休め     2015/07/15   「昆虫雑録」・「今日の道草」




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