ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)が咲いていた

2015年9月13日は、丘陵散歩の時間帯に寒冷前線が通過し、雨宿りの時間が長かった。
雨が止むまでは、山麓で、いざとなれば軒の借用できる場所で、待機した。雨が小降りになると、シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)や、コオニヤンマ(小鬼蜻蜓)などを眺めながら時間を過ごした。
降っては止み。また降っては止みだったが、雨の上がる兆しが感じられたので、山に入ることにした。
しかし、雨宿りの時間が長かったので、予定していた散歩の時間が不足してしまった。そこで、下山後のことを考えて、山麓の道を歩かずに、下山予定場所へ自転車で移動することにした。
移動途中で、空き地にヤブツルアズキ(藪蔓小豆)が咲いているのに気付いた。
ヤブツルアズキは、以前、道草銀輪紀のフィールドで、継続観察を試みたことがある。その時は、除草作業で、見事に刈られてしまった。そして、その後は出遭う機会がなかった。 


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画像 1 ヤブツルアズキの花 左右非対称だが蝶形花  


ヤブツルアズキは、マメ科ササゲ属のつる性の植物。1年草で、怪しげな形状の左右非対称の黄色い花が咲く。
棒状の莢(果実・豆果)には小さな種子(豆)が数個入る。
一般的な餡子(小豆の餡子)にはなくてはならないアズキ(小豆)の祖先的な存在でもある。
アズキも、マメ科ササゲ属の植物。古い時代からヤブツルアズキを品種改良したものといわれている。現在のアズキには多くの品種があるが、遺伝的特徴はヤブツルアズキと同じとのことである。


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画像 2 ヤブツルアズキの花 右側の翼弁の穴は虫食い  


また、和名や左右非対称の黄色い花が、一見、紛らわしいノアズキ(野小豆)は、同じマメ科でもノアズキ属である。
ヤブツルアズキと、ノアズキでは、旗弁の位置が違ったり、明らかに花の形状が違う。それでも、フィールドで突然に出遭うと異様な花の形状で同定を悩んでしまう。
花の形状で悩んでも、果実の形状で、ヤブツルアズキとノアズキは簡単に区別ができる。ヤブツルアズキは、棒状。ノアズキは扁平である。
余程の咲き初めでもない限り、結実した若い果実が見えるので、識別は容易である。

なお、私は、果実の形状を、ヤブツルアズキは、サヤインゲン(若い果実を莢ごと食べる隠元豆)似。ノアズキは、サヤブドウ(若い果実を莢ごと食べる豌豆)似で区別するようにしている。
サヤインゲンと、サヤブドウは、昔から見慣れている食材なので、莢の形状が、棒状、扁平の表現より先に、サヤインゲン似、サヤブドウ似と思い浮かべてしまう。
サヤブドウの名称に関しては、昔、そのように憶えたので、そのまま使っているが、サヤエンドウと呼んだ方が通りがよいようだ。


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画像 3 ヤブツルアズキの総状花序 蕾も沢山ある  


このヤブツルアズキが咲いていた空き地(草藪)には、ヤブガラシ(藪枯)、コセンダングサ(小栴檀草)、ニラ(韮)、キツネノマゴ(狐孫)なども咲いていた。そして、夫々の花に、虫たちが蜜を求めて訪れていた。
ヤブツルアズキの花は逃げないので、先ずは、虫たちの撮影からという道草が始まった。


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画像 4 棒状の若い果実が沢山見える 葉はクズ(葛)を小型にしたような雰囲気  


雀蜂もヤブガラシの蜜を求めてきていた。
そこで、先ずは雀蜂と思ったが、草藪の奥へ隠れてしまった。
仕方ないので、手近なイチモンジセセリ(一文字挵)から撮った。 イチモンジセセリはニラの花の蜜が好みのようだ。
丘陵地帯ではイチモンジセセリを見たことがない。この山麓で見たのも初めてのことである。
なお、イチモンジセセリは、キツネノマゴの花でも吸蜜をしていた。

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画像 5 ニラの花で吸蜜中のイチモンジセセリ  


クマバチ(熊蜂)は、ヤブツルアズキの花がお気に入りのようだった。切りなく、ヤブツルアズキの花を移動していた。ひとつの花に落ち着いてぶら下がっていないので、撮影は難儀だった。
さらに、余程体重があるとみえて、花にとまっても、すぐにぶら下がってしまう。見る角度によっては、花の影になってしまう。そんなことも撮影難の要因だった。


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画像 6 ヤブツルアズキの花で吸蜜中のクマバチ  


目の届く位置のヤブガラシに雀蜂が来たと思ったら、雀蜂でなく脚長蜂だった。
撮影した画像で名前(和名)を調べたら、コアシナガバチ(小脚長蜂)のようだった。
ヤブガラシの花の蜜が好みのようである。


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画像 7 ヤブガラシの花の蜜が好みのコアシナガバチ(?)  


コセンダングサには虻が来ていた。
撮影した画像で調べてみたら、シマアシブトハナアブ(縞脚太花虻)のようだった。
シマアシブトハナアブの見た目の特徴は、胸部背面の縦筋模様と、腹部背面の横筋模様が中央の縦筋模様でつながる。
それらの見た目の特徴が、シマアシブトハナアブのようだった。


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画像 8 コセンダングサの花に来たシマアシブトハナアブ(?)  


虻でなく蜜蜂もいた。
ニホンミツバチ(日本蜜蜂)を見掛けることが多いが、この日の蜜蜂はセイヨウミツバチ(西洋蜜蜂)だった。


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画像 9 コセンダングサの花に来たセイヨウミツバチ  


ようやく、近くのヤブガラシに雀蜂が来た。
撮影した画像を調べたら、ヒメスズメバチ(姫雀蜂)だった。
雀蜂は観察経験がほとんどない。今回、同定にあたり、コガタスズメバチ(小型雀蜂)、モンスズメバチ(紋雀蜂)と、ヒメスズメバチで悩んだが、腹端が黒色なことに気付き、ヒメスズメバチと同定した。
コガタスズメバチ、モンスズメバチ共に、腹端は黄色とのことである。


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画像 10 ヤブガラシの花に来たヒメスズメバチ  


目に付いた、蜜を求める虫たちの撮影も済んだので、この場を去ろうとしたら、ヤマトシジミ(大和小灰蝶)が、やって来て近くのヤブガラシの葉にとまった。
まるで、撮ってくれといわんばかりだったので、花の蜜は吸っていなかったが撮影した。
草藪の端にはカタバミ(酢漿草)が生えていたので、躊躇なくヤマトシジミと思った。


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画像 11 ヤブガラシのにとまるヤマトシジミ  


そして、ヤマトシジミが翅を開いた。翅の表から、雌と判断した。


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画像 12 翅を開いたヤマトシジミの雌  


道端の空き地にヤブツルアズキの花を見たのをきっかけに、結構な道草をしてしまった。

雀蜂に気を取られていたら、アオスジアゲハ(青条揚羽 ・ 青條揚翅)に逃げられた。撮影を始める前に、注意深く見渡せば、アオスジアゲハの存在にも気付いたのであろう。惜しいことをした。
この場所、そのうちに、セイタカアワダチソウ(背高泡立草)が咲くと、蜜を求める虫たちで、また賑やかになるのだろう。
長かった雨宿りのお蔭で、散歩の予定変更があり、結果的に、面白い場所を見つけることができた。


2015年9月13日の道草の記



今回、久々に、ヤブツルアズキを見た。黄色だけで変則的な形の花は、見づらくて苦手である。また、黄色だけの花は撮影も苦手である。
ノアズキは実物を見たことがない。この地では、余程、運が良くないと、ノアズキの花にはお目に掛かれないらしい。



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