アカボシゴマダラの縄張り

この日も暑かった。気温のピークは16時台だった。
丘陵散歩も前半の部が一区切り付いたので一休みすることにした。ちょうど、16時台だった。
その場所は、ちょっと騒々しかった。騒々しい原因は、アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)が2匹から3匹で空中戦を繰り広げていたためであった。
勝ち残った1匹のアカボシゴマダラが葉の上にとまり待機していると、すぐさま、1~2匹のアカボシゴマダラがやって来て、2、3匹での空中戦が始まる。と、そんなことを繰り返していた。
その場所は、1匹のアカボシゴマダラ(;画像 1 )の縄張りだったのだ。


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画像 1 アカボシゴマダラの雄  リョウブの葉の上で縄張りを見張る 


アカボシゴマダラは、 国立環境研究所の侵入生物データベースに登録されているタテハチョウ科の蝶。
この地にいつから侵入してきているのかは、蝶に疎い私は知らない。
私の初見は、2013年の夏。もっとも、当時は目撃しても、初見の未知の蝶だった。
それが、2014年の初夏に袖にとまられた(画像 4 )ことがあり、必死に調べて、アカボシゴマダラの和名(名前)にたどり着いた。それと、侵入生物のレッテルを貼られた蝶であることも知った。
それと同時に、成虫に春型と夏型があることも知った。2014年の初夏の個体は春型だった。
更に、雄は縄張り(テリトリー)を持つとのことだった。袖にとまったのも、侵入者(ヒト)に対する制圧行為だったのかも知れない。


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画像 2 アカボシゴマダラ  口吻は黄色。複眼は黒色。 


そして、この日の道草が始まった。
まさに、その場所は、1匹のアカボシゴマダラの縄張りだった。その1匹は同一個体で、その付近で最強か、それとも、その場所に一番乗りした雄であろう。
なお、同一個体と判断したのは、前翅の欠損具合による。
その場の主がいるのにも拘らず、ちょこちょこやって来て、空中戦から逃げ去ったのは、その場所に縄張りを持てなかった雄たちということになるのであろう。

夏のアカボシゴマダラは、今までは、アカタテハ(赤立羽)の縄張りで駆逐される姿や、オオムラサキ(大紫)が去った後にそっと出てくる姿しかイメージがなかった。
この日のようなアカボシゴマダラ同士の縄張り争いの空中戦は初めて見た。


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画像 3 アカボシゴマダラ夏型  漢字表記の「赤星」は後翅後部の赤色の斑紋に因む 




2015年8月15日の道草の記

この日の縄張りの主の前翅長は、目測で、40~45mmほどだった。アカボシゴマダラは大きな蝶である。

長い道草で、丘陵散歩の後半の部は、日没までの時間との闘いになってしまった。
時間が足らないので、観察植物を絞った。夕刻とはいえ暑さの残る中、蝉時雨の稜線を歩いた。
夏のくそ暑さは厳しいが、お盆ともなると、すでに秋である。日は短く、下山途中の観察植物は、参考程度のストロボ撮影になってしまった。


アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)
チョウ目(鱗翅目) タテハチョウ科 コムラサキ亜科 アカボシゴマダラ属
Hestina assimilis


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画像 4 袖にとまったアカボシゴマダラ  春型の雄 


ところで、2014年の初夏に袖にとまられたことがきっかけで、名前を知ったアカボシゴマダラ。その後、多少観察眼が肥えてきたのか、目撃回数が増えてきた。
それとも、ただ単に、生息数が増えてきているだけなのかは判らない。
もっとも、今年(2015年)は幼虫も目撃している。私のような者にも幼虫が見えるようだから、確実に増えてきているのかも知れない。
なお、この記述は、この丘陵地帯だけでの観察・目撃についてのみのことである。

確実に増えてきているのだとすると、ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)のようになるかも知れない。
ツマグロヒョウモンもタテハチョウ科の蝶。この蝶は、間違いなく増え続けている。この丘陵地帯も然ることながら、市街地で特に増えている。近年では、初夏から晩秋までの間、一番目立つ立羽蝶になってしまった。
増え続け、生息数を増しているのは、南方系の蝶で、地球環境の温暖化の影響とも言われている。が、実際は、園芸用の菫(スミレ)の仲間の存在が一番の要因のように思われる。
ツマグロヒョウモンの幼虫の食草は、野草、園芸種に関わりなく菫の仲間。

一方、アカボシゴマダラの幼虫はエノキ(榎)が食樹で、葉を食うとのこと。
オオムラサキ(大紫)、テングチョウ(天狗蝶)や、ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)なども幼虫の食樹がエノキ。
食樹がエノキで、幼虫期にエノキを利用する在来蝶との競合が懸念されている。
それは兎も角として、アカボシゴマダラは、北へ、西へと生息範囲を広げている最中で、現状で生息数は間違いなく増えているようだ。

近い将来、目立つ立羽蝶というと、ツマグロヒョウモンとアカボシゴマダラという事になってしまうのかも知れない。
なお、蝶に疎い私は、この丘陵地帯の散歩範囲では、ゴマダラチョウはまだ見たことがない。






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