オニヤンマとコオニヤンマ

オニヤンマ(鬼蜻蜓)とコオニヤンマ(小鬼蜻蜓)の違いや区別・識別方法がようやく判った。
蜻蛉(とんぼ)に疎い私は、この丘陵地帯で見かける虎皮縞模様(黒地に黄色の縞模様)の大きな蜻蛉の同定ができないでいた。
それが、オナガサナエ(尾長早苗 )という蜻蛉の存在を知ったことと、オニヤンマの若い雌を間近で見る機会があったことがきっかけとなり、オニヤンマとコオニヤンマの違いや区別方法が判るようになった。


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画像 1 オニヤンマ 雌 長めの産卵管が見える 


先ず、区別・識別方法。
長さの違い。体長100mm程度がオニヤンマ。体長80mm程度がコオニヤンマ。
飛んでいるときは長さの見当は付かない。とまったときの目測の数値で見当が付く。
とまり方の違い。オニヤンマは懸垂のように垂直方向にとまるという。コオニヤンマは環境に合わせてか、垂直方向、水平方向どちらでもとまる。
長さの違いは、両者の区別に有効的である。とまり方はあてにならない。


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画像 2 コオニヤンマ 雄 腹部第2節に副性器が目立つ 


とまってくれれば、長さの見当が付く。そして、頭部に着目して、胸部に対しての頭部の大きさを確認する。
胸部なりに頭部も大ききければオニヤンマ(画像 1 )。胸部に比べて頭部が小さければコオニヤンマ(画像 2 )。
さらに、後脚が異様に長く感じたら、コオニヤンマである。
頭部の大きさを見るのは効果的である。


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画像 3 オニヤンマ 左右の複眼の一部が近接している 羽化間もない雌  


もしも、間近で両方(左右)の複眼を見ることができれば、容易に区別ができる。
オニヤンマは左右の複眼の一部が近接している(画像 3 )。そして、コオニヤンマの左右の複眼は離れている(画像 4 )。


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画像 4 コオニヤンマ 左右の複眼は離れている 雄 


以上が、素人なりに判ったフィールドでの簡易識別方法ならびに区別方法である。
他にも、腹部端末付近の形状の違い、黄色の縞模様の数の違いや、顔(頭部)の部品の配置・形状・配色の違い。さらに、胸部の模様の違いなどでも識別できる。
なお、顔の部品とは、前額(ぜんがく)・頭楯(とうじゅん)・大腮(だいさい)などである。大腮は大顎(おおあご)のこと。


ところで、丘陵地帯を散歩するようになってから、色々な蜻蛉を見るようになった。ほとんどが初見の蜻蛉。
気になる蜻蛉から同定を進めているが、同定率は低い。観察経験も知識もなかったが原因のようだ。
オニヤンマはその存在だけは知っていたが、観察経験はなかった。そんな状況で、コオニヤンマの存在も知った。
今までは、実際に、虎皮縞模様の大きめな蜻蛉を見ても何蜻蛉か見当も付かなかった。



次に、オニヤンマとコオニヤンマの違い。
今までは、似たような名前(和名)に引っ掛かっていて、理解できないでいた。
それが、今年(2015年)の6月28日にオニヤンマの若い雌を間近で見て、さらに、6月30日には翅休めしていたオナガサナエを見た。それらのことがあり、オニヤンマとコオニヤンマについて理解できる範囲が広くなった。

「ヤンマ」と言う言葉は、ヤン坊マー坊天気予報のヤンマーディーゼルで憶えていた。かといって、オニヤンマ科オニヤンマ属なんて知らなかった。オニヤンマが、日本で最大の蜻蛉とのことは近年知った。
そして、これまた、近年知ったのが「早苗蜻蛉」。「早苗」とは、いかにも農事関連の雰囲気がある。早苗蜻蛉はサナエトンボ科に属する蜻蛉の総称。
サナエトンボ科の理解が進んだのは、虎皮縞模様(黒地に黄色の縞模様)の翅休めしていた小振りの蜻蛉がオナガサナエと判ったことによる。オナガサナエはサナエトンボ科オナガサナエ属の蜻蛉。
そして、オナガサナエを調べている時に、早苗蜻蛉の仲間にコオニヤンマがいることに気付いた。コオニヤンマは早苗蜻蛉の仲間(サナエトンボ科)の中では日本で最大の蜻蛉とのことだった。

オニヤンマとコオニヤンマの最大の違いは属する科の違いだった。今までは、似たような名前(和名)に引っ掛かっていていたが、大きな範囲の蜻蛉の仲間でも、オニヤンマ科とサナエトンボ科の違いがあったのだ。
オニ(鬼)とコオニ(小鬼)は同科や同属の大小の違いではなかった。先人の学者さんは罪な和名を付けたものである。


蜻蛉の世界・トンボ目(蜻蛉目)の、不均翅亜目(ふきんしあもく)と、均翅亜目(きんしあもく)も理解できないでいた。これについては、今回のついでに調べて、なんとなく理解できた。

不均翅亜目、前翅より後翅が幅広で、とまっているときは翅を広げている。
均翅亜目、前翅と後翅がほぼ同じ形。ほとんどの種類が翅を閉じてとまる。概ね、糸蜻蛉で腹部が細長い。
とのことであった。
オニヤンマもコオニヤンマも翅を広げてとまるので、不均翅亜目ということになる。


オニヤンマ(鬼蜻蜓)
トンボ目 トンボ亜目 (不均翅亜目) オニヤンマ科 オニヤンマ属
Anotogaster sieboldii

コオニヤンマ(小鬼蜻蜓)
トンボ目 トンボ亜目(不均翅亜目) サナエトンボ科 コオニヤンマ属
Sieboldius albardae



追加で、飛んでいる姿を見ての簡易識別方法。
前述したが、腹部端末付近の形状の違い。これは、飛んでいる姿を見て、オニヤンマと、コオニヤンマの識別ができる。腹端部がすんなりしているとオニヤンマ。腹端部が膨らんでいると、コオニヤンマ。

さらに、コオニヤンマの雄は腹端部が「へ」の字状に下がっている。膨らんで、下がっているのだから、目立ち、見極めに効果的である。

ついでだが、あてになるかどうかは定かでないが、コオニヤンマはヒト(人間)にもとまる。
昨年、左上腕部にとまられて、あせったことがある。

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散歩のついでのフィールドワークで、今まで区別の付かなかったオニヤンマとコオニヤンマ。
オナガサナエを知ったことで、区別・識別ができるようになった。区別・識別ができると愉しいものである。
「オニヤンマ科」と「サナエトンボ科」もその存在を知った。

蜻蛉に疎い私だが、見かけた蜻蛉の体長を目測する癖が付いてきた。
鳥にも疎くて、その大きさの見当が付かないでいる。が、蜻蛉は鳥に比べて近くを飛んだり、近くにとまってくれたりする。
そんな訳で、比較物がない状態での目測で数値は不確かだが、同定にあたって大いに役立ってきている。



画像 3 の、羽化間もないオニヤンマの雌については、別記事に記しておきたいと思っている。
文中の、翅休めしていたオナガサナエについては、別ブログの、別記事に記しておきたいと思っている。
  

---   蜻蛉 オナガサナエの関連記事
「昆虫雑録」 の「キアゲハを食うオナガサナエ 」 2015/08/27 。


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