百蝶の王 オオムラサキ

4月に、「今年は遇いたいオオムラサキ」(仮題)という記事を書こうと思ったが、時間が足らなくて、そのままに放置してあった。
オオムラサキ(大紫)は、タテハチョウ科の蝶。夏の蝶でもある。
2011年に散歩を始める前から名前(和名)を知っていた蝶。何故、名前を知っていたかは定かでない。時々、新聞記事などで名前を眼にすることがあるので、それで、名前を覚えていたのかも知れない。
2012年7月16日、丘陵地帯での散歩中にオオムラサキの雄に出遭った。それ以来、散歩中にオオムラサキを見かけることはなかった。
そこで、2012年7月の画像を使い、「今年は遇いたいオオムラサキ」(仮題)という記事を書くつもりでいた。
ところが、記事を書く前に夏が来て、雄のオオムラサキに遇ってしまった。
この日の散歩でオオムラサキに遇うのは予定外だったが、久々の出遭いなので道草が始まった。


画像

画像 1 オオムラサキ 雄。コナラにとまり、侵入生物を監視中  


7月5日、丘陵散歩中の、とある場所。
その場所に着いたら、ダイミョウセセリ(大名挵)が出迎えに来て目の前にとまった。
せっかくだから、出迎えてくれたダイミョウセセリを撮ろうと思った。そしたら、バサバサと大きな翅音をたてた黄白色に見えた大きな蝶に威嚇された。
突然のことでびびったが、襲われることはなかった。果て、何蝶だろうか。翅の色具合から、アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)を連想した。しかし、記憶ではアカボシゴマダラの翅音はもう少し静かだったような気がした。
その時は、ぴんと来なかった。元々、この場で休憩をするつもりだったので、一服点けた。

考えてみれば、この時期のアカボシゴマダラは夏型で黒色が目立つ。果たして、何蝶だったのだろうか。
ぼけーっと紫煙をくゆらせていたら、モンキアゲハ(紋黄揚羽)がやって来た。すると、途端に大きな翅音が聞こえて、件の蝶がモンキアゲハを駆逐した。モンキアゲハよりは2周りほど小さい蝶だった。
直ぐに戻って来た件の蝶は、コナラ(小楢)の枝先に翅を広げてとまった。煙草を吸い終えてから、近付いて、樹上の蝶を観察した。
翅の後縁近くに橙色の斑紋が見えた。それに、大きく発達した胸部、ぎょろっと大きな複眼。そして、前翅も大きい(画像 2 )。
コナラの枝先に翅を広げてとまった姿と、大きな翅音から、オオムラサキを思い出した。


画像

画像 2 オオムラサキ 胸が大きく前翅も長く丈夫そう  


その蝶、今度は鳥を追いかけた。その姿を見て、オオムラサキであると確信した。
2012年 7月のときにツバメ(燕)を追いかける姿を目撃していたので、その時の様子の記憶が蘇り、今回の様子が酷似していたので、オオムラサキであると確信した次第である。
もっとも、翅表の青紫色が見えれば、もう少し前にオオムラサキであると判ったのだが、この時点では、まだ、翅表の青紫色は見えていなかった。
なお、鳥の種名は不明だが、ツバメよりは大きな種類だった。

オオムラサキは、鳥の追尾から戻ると、私の頭上のコナラの枝先にとまった。
下からファインダ越しに覗くと、大きな複眼、丸めた口吻、立派な下唇鬚(かしんしゅ)、そして、短い前脚などが見えた(画像 3 )。


画像

画像 3 オオムラサキ 複眼、口吻、下唇鬚、そして、前脚などが見える  


その後も、地上付近の侵入者、モンキアゲハや上空の通過者、ツバメ(種類不明)などをスクランブル発進して追いかけていた。縄張りを守る行動なのだろうが、見ていて忙しく感じるものがあった。
スクランブルの帰投後は、適当な枝に、翅を広げてとまっていた。
時々、翅表の見え易いとまり方もあったので、何枚か撮影した。そのうちの1枚が画像 1 。翅表の青紫色は雄の特徴でもある。


私がぼけっと移動していたら、大きな羽ばたき音がした。オオムラサキが襲ってきたのであった。結果は、左上腕部にとまられた。
立て続けに、2回とまられた。眼前の20cmほどの距離で見たオオムラサキはでかい蝶だった。百戦錬磨と見えて、後縁の一部が欠落していた。激しい実務の果てのものであろう。
オオムラサキにしてみれば、地上の侵入者を制圧したと思ったのか、その後は、私の行動は無視するようになった。

そんなことがあってから、手の届きそうなコナラの枝先にとまったときに、30cmほどの距離から撮影してみた。ヒト(人間)の手やカメラに無関心。それとも、まったく無視。と、そんな感じだった。
撮影した画像は光が入ってしまい失敗だった(画像 4 )。撮影時に、日中シンクロを思ったのだが、すぐ近くのストロボ発光はかわいそうと思い、日中シンクロは遠慮してしまった。結果的には、日中シンクロをためらったことにより、撮影は失敗してしまった。
オオムラサキの迷惑を顧みず、日中シンクロすれば良かったとも思う。


画像

画像 4 オオムラサキ 横姿。翅裏は黄白色に見えた  





オオムラサキ(大紫)
チョウ目(鱗翅目) タテハチョウ科 コムラサキ亜科 オオムラサキ属
Sasakia charonda
上腕部にとまられ、間近で見たが、前翅長は測りそびれた。とっさのことで、目測もしていない。
それでも、兎に角、でかい立羽蝶である。雌は雄よりも大きいとのことである。


オオムラサキは、己よりも大きな蝶を駆逐し、鳥を追尾し、ヒトをも威嚇し制圧する。
動物には「百獣の王」という呼び方がある。国内の蝶の世界では、オオムラサキを「百蝶の王」と呼んでも過言ではないように思った。
なお、ダイミョウセセリも普段はモンキアゲハを駆逐する。しかし、この日はオオムラサキの出現後はダイミョウセセリはどこかに潜んでしまった。



2015年7月5日の道草の記

この日は、クロイトトンボ(黒糸蜻蛉)の雄が、雌に対して強引(乱暴)に交尾を促す様子。また、歩行は苦手なのがよく判った、近寄ってきたツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)の雌。や、ベニシジミ(紅小灰蝶)が踊るように歩き回りヒメジョオン(姫女苑)で吸蜜する姿など道草が多かった。
すべてを記録しておきたいところであるが、久々のオオムラサキとの出遭いがあったので、「今日の道草」の記事では、そのことを記すことにした。


---   蝶 オオムラサキの関連記事
「昆虫雑録」 の「オオムラサキが去った後」 2015/08/21 。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック